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エスプレッソとロードバイクと飛行機好きの気ままなブログ

働き方改革

今路線訓練中ですが、教官が足りず今月は3回しか訓練フライトが入っていないfour.engine.driverでございます。

 

先月末から路線訓練が始まりました。やはり実機はいいですね。臨場感、フィーリング、身体とケツで感じる感覚。最後に飛んだのは1月末ですので約4ヶ月ぶりのコックピット、よかばいよかばい。

 

と、ここ最近前社の話題がニュースになっていて自分もちょっと該当するのでちょっと気になりながらも読んでました。

 

 

心苦しいですが、正直この日が来るものとは前々から思ってはいました。自分がまだ在籍している時よく事業戦略と井戸端会議チックなものしてお話している時に今後の戦略をどうするかよく耳にしていました。私の言った一言は、

 

「それは絶対無理」

 

航空会社、特にLCCは機材稼働をあげることにより利益を生み出します。なぜかというと地上で駐機している時は収入はゼロなんです。むしろマイナスですね。だって駐機料、保険、リース料などは飛ぼうが飛んでなかろうがかかります。

 

むしろ燃料燃やして、パイロットとキャビンさんに給料払ってでも、そして搭乗率がたとえ50%でも飛ばないよりかは利益は出ていなくても損益は軽減できます。

 

何よりも長距離より短距離の方が利益が出やすいのもあります。例えば成田ー香港みたいに一本飛ばすのに5時間かかると利益を出すのにある程度の金額に設定しないとマイナスになります。そこに搭乗率が8割を切るともう完全にマイナスです。これを往復にすると飛行機は約12時間(出発前で約1時間、成田ー香港で約5時間、香港で1時間駐機、香港ー成田で約4時間半)拘束されるわけです。少なくともこの12時間で燃料代、オイル代、保険料、着陸料、ゲート使用料、地上ハンドリング料、人件費などが賄えないといけません。

 

ところが短距離になると国内3往復で8割以上の搭乗率であれば元は取れます。使う燃料も少ないですし、30〜40分で折り返すので飛行機の稼働も国際線に比べると上がります。なので日中は国内線で稼働をあげ、夜間は駐機するのだったら距離の長い国際線を飛ばし少しでも稼働と収入があった方が良いという感じです。なので成田空港開店ガラガラからほぼ閉店ガラガラまで6便、多い時は7便飛ばしたいのです。

 

問題はそんなに便を張ると飛ばす人がどんどんいなくなることですね。いなくなるのは転職とかではなくて月間上限に達する可能性が増えてくることです。

 

日本の航空法で月間100時間、3ヶ月で270時間、年間1000時間と決まっています。これは絶対に守らないといけません。

 

便を張る時もパイロットの稼働率、時間、不足の事態など色々考慮し計画を立てないとあとで大変なことになるのはわかると思います。

 

パイロットの稼働率はもちろんですが、一番大事なのは不足の事態ではないでしょうか。人間生きている限り何が起こるかは分かりません。病欠、親族のご不幸、事故、怪我、技能審査に不合格、訓練の遅れ、インシデントなどで乗務停止、そして今流行りの飲酒問題、などなど。なので計画する時は7割くらいの稼働率で考え不足の事態時にも対応できるくらいの便数が一番理想的です。

 

公休や有給返上してまでも飛ばすのは正直おかしいとしか言えません。しかし今回はそのようなことはせず計画減便に踏み切ったのは苦渋の決断かもしれませんが、無理をしいいるよりは良いと思います。

 

が、

 

会社は今の働き方改革に基づき従業員第一で考えました!と浮かれた感じで思っているとまたしっぺ返しが来るのでちゃんと計画性を持って便を組んでくれることを強く望みます。

 

そんな私は今、その様なことも何も考えずノンビリとフライトしています。

 

ノンビリ万歳!