Runway Incursion
昨日の夜新千歳空港での出来事。
RWY19RへLine up and waitの指示が来て通常通りの手順でLine upし滑走路上で離陸の許可を待っていました。
RWY19Lに着陸した本邦の航空会社が滑走路を離脱したところで管制官が
「ほにゃらら便、Hold short of RWY19R due to departure」
RWY19Rから離陸する飛行機がいるといつも言われる指示。
ところが今回はそのほにゃらら便から応答がなく、管制官は再度コールしてHold shortの指示を出しました。
でも応答なし。
3回目のコールをしても応答なし。
航空機は一旦Hold shortしていたものの、その後また動きはじめ離陸滑走路を無許可で横断し始めました。
自分は「行くな、行くな!」と心の中で思ってましたが思いは伝わらず。
一旦管制官が慌ただしくなりその後しばしの沈黙…
多分周りの航空機も息を飲んで見ていたと思います。そして思いは多分みな同じ。
その後管制官が戻り離陸の許可を得て我々は離陸しました。
管制官の指示なく滑走路を横断するのは管制指示違反=国土交通大臣の指示に違反したとみなされます。
そして今回はRunway Incursionという航空業界ではものすごく重要視する重大インシデントの一つ。
過去にも国内でも海外でもRunway Incursionによるインシデントは多発しています。そのため滑走路を横断するような状況にある場合は必ずBriefingし一旦停止、必ず横断の許可を得た後滑走路がクリアであること確認し横断する。
パイロットとしての鉄則です。
知っている人は知っているテネリフェのジャンボ機同士の事故はこのRunway Incursionにあたります。
もし我々が離陸の許可をもらっていたら…
ゾッとします。